関西学院中学部 近年の入試結果分析

関西学院中学部 近年の入試結果分析

関西学院中学部の入試結果を、2020年度から2026年度までの7年分で分析します。A日程・B日程の実質倍率、受験者数、合格者数の推移をもとに、近年の傾向を整理しました。特にB日程は、2026年度に満点構成や加点制度が変わっているため、合格最低点を過年度と単純比較しないよう注意が必要です。

目次

近年の倍率推移から見る傾向

関西学院中学部は、関西の中学受験において高い人気を持つ大学附属校の一つです。

関西学院大学への内部進学を見据えられることに加え、学校としてのブランド力、教育環境、通学圏の広さなどから、毎年多くの受験生が志望する学校です。

この記事では、関西学院中学部が公表している2020年度から2026年度までの入試結果をもとに、A日程・B日程それぞれの傾向を整理します。

単に「倍率が上がった」「下がった」と見るのではなく、受験者数、合格者数、実質倍率、合格最低点、そしてB日程の満点・加点制度の変更点も含めて、慎重に見ていきます。

上のグラフを見ると、関西学院中学部の入試は、2020〜2022年度は比較的倍率が高く、2023〜2025年度は落ち着き、2026年度はやや上昇したことが分かります。

ただし、2026年度だけを見て「急に難しくなった」と判断するのは早計です。むしろ、過去7年分の流れの中で見ると、2026年度は直近数年の落ち着いた倍率から、少し競争が戻った年度と考える方が自然です。

関西学院中学部入試の基本構造

関西学院中学部の一般入試には、A日程とB日程があります。

A日程は、国語・算数・理科の3教科入試です。配点は、国語200点、算数200点、理科100点の合計500点満点です。

B日程は、国語・算数の2教科入試です。ただし、B日程については年度によって満点の扱いが異なります。

2025年度までは、国語200点、算数200点に加え、A日程または帰国生入試を受験した者への10点加算を含めた410点満点で公表されていました。

一方、2026年度B日程は450点満点で公表されています。A・B両日程、または帰国生・B両日程に出願し、両日程を受験したうえで、B日程に合格すれば必ず入学する意思がある受験生には30点が加算されます。さらに、ボランティア活動、文化・芸術・スポーツ分野での実績、英語検定・漢字検定、ICT関係の資格などがある場合、最大20点の加算があります。

そのため、B日程の合格最低点については、2026年度と過年度を点数だけで単純比較することはできません。

A日程の推移

A日程の実質倍率は、2020年度から2022年度まではおおむね2.5倍前後で推移していました。

2020年度は受験者329名、合格者126名で、実質倍率は2.61倍でした。2021年度は受験者308名、合格者124名で2.48倍、2022年度は受験者326名、合格者123名で2.65倍です。

この3年間は、A日程でも一定の競争があり、関西学院中学部らしい難度を保っていた時期といえます。

一方、2023年度以降は倍率が落ち着きます。

2023年度は受験者237名、合格者121名で1.96倍、2024年度は受験者223名、合格者117名で1.91倍、2025年度は受験者239名、合格者127名で1.88倍でした。

つまり、2023〜2025年度のA日程は、実質倍率が2倍を下回る水準で推移していました。

ただし、これは「合格しやすい学校になった」という意味ではありません。関西学院中学部は、大学附属校としての人気があり、受験生の学力層も一定以上に保たれています。倍率が落ち着いた年度であっても、合格には国語・算数・理科をバランスよく仕上げる必要があります。

2026年度は、受験者279名、合格者127名で、実質倍率は2.20倍となりました。2023〜2025年度の低倍率傾向から見ると、やや競争が戻った年度といえます。

ただし、2020〜2022年度の2.5倍前後と比べると、まだそこまで高い倍率に戻ったわけではありません。A日程については、「直近3年よりはやや上昇したが、長期的に見ると極端な高倍率ではない」と見るのが慎重な判断です。

A日程の合格最低点から見る注意点

A日程は500点満点で実施されています。

2025年度までは、男子・女子別に合格最低点が公表されていました。女子の合格最低点が男子より高い年度も多く、これは女子の募集人員が男子より少なかったことも関係していると考えられます。

2026年度は男女合計で公表され、合格者最低点は350点でした。

500点満点中350点ということは、割合にすると7割です。もちろん、年度によって問題の難易度は異なるため、「350点を取れば安全」と単純に考えることはできません。

それでも、関西学院中学部A日程を目指す場合、3教科合計で7割前後を安定して取れる力は一つの目安になります。

特に注意したいのは、算数だけで押し切ろうとする受験です。A日程は理科も含めた3教科入試であり、どこか1教科で大きく崩れると合計点が届きにくくなります。国語・算数を中心にしつつ、理科でも安定して得点できる状態を作ることが重要です。

B日程の推移

B日程は、A日程よりも倍率が高くなりやすい入試です。

2020年度は受験者327名、合格者67名で、実質倍率は4.88倍でした。2021年度は4.12倍、2022年度は4.35倍と、4倍台の高い倍率が続いていました。

この時期のB日程は、A日程以上に厳しい入試だったといえます。

しかし、2023年度以降はB日程の倍率にも変化が見られます。

2023年度は受験者280名、合格者89名で3.15倍、2024年度は受験者289名、合格者122名で2.37倍、2025年度は受験者296名、合格者116名で2.55倍でした。

2020〜2022年度の4倍台と比べると、2023〜2025年度のB日程はかなり落ち着いた倍率になっています。

2026年度は、受験者228名、合格者79名で、実質倍率は2.89倍でした。受験者数は2025年度より減っていますが、合格者数も116名から79名へ減ったため、実質倍率は上昇しています。

ここは重要です。

2026年度B日程は、受験者数だけを見ると「志願者が減った」と見えます。しかし、合格者数が絞られたことで、倍率はむしろ上がっています。したがって、B日程については、受験者数の減少だけを見て易化と判断するのは危険です。

B日程の合格最低点は単純比較できない

B日程の合格最低点を見るときは、特に注意が必要です。

2025年度までは、B日程は410点満点で公表されていました。国語200点、算数200点に、A日程または帰国生入試を受験した者への10点加算を含めた形です。

一方、2026年度は450点満点で公表されています。A・B両日程、または帰国生・B両日程を受験し、B日程に合格すれば必ず入学する意思がある受験生への30点加算に加え、活動実績や資格などによる最大20点の加算があるためです。

そのため、2026年度のB日程合格最低点325点を、2025年度までの男女別合格最低点と点数だけで比べることはできません。

点数だけを見ると、2026年度の合格最低点は高く見えるかもしれません。しかし、満点自体が410点から450点に変わっています。さらに、加点の条件も変わっています。

したがって、2026年度B日程については、「合格最低点が上がったから大きく難化した」と単純に判断するのではなく、満点構成と加点制度の変更を踏まえて見る必要があります。

B日程は、国語・算数の2教科入試です。そのため、算数が得意な受験生にとっては魅力的に見えるかもしれません。

しかし、B日程はA日程より倍率が高くなりやすく、年度によって合格者数も大きく変動します。さらに2026年度以降は、出願戦略や入学意思、加点条件も関係する入試になっています。

B日程だけを単独で考えるのではなく、A日程との併願、加点条件、第一志望度まで含めて、慎重に受験戦略を立てる必要があります。

2020〜2026年度から見える大きな流れ

2020〜2026年度の関西学院中学部入試を大きく見ると、次のような流れが見えてきます。

まず、2020〜2022年度は、A日程・B日程ともに比較的倍率が高い時期でした。特にB日程は4倍台の年度が続いており、かなり厳しい入試でした。

次に、2023〜2025年度は、A日程・B日程ともに倍率が落ち着いた時期です。A日程は2倍を下回り、B日程も2024年度・2025年度は2倍台に下がりました。

そして2026年度は、A日程・B日程ともに、直近の低倍率期から少し競争が戻った年度といえます。

ただし、2020〜2022年度の水準まで完全に戻ったわけではありません。そのため、2026年度だけを見て「大きく難化した」と言い切るよりも、2020〜2022年度の高倍率期、2023〜2025年度の落ち着いた時期、そして2026年度のやや上昇という流れで見る方が、実態に近いと考えられます。

受験対策上のポイント

関西学院中学部を目指す場合、まずはA日程を軸に考えることが基本になります。

A日程は国語・算数・理科の3教科入試です。合格には、3教科合計で安定した得点力が必要です。算数だけ、国語だけに偏った勉強ではなく、理科も含めて大きな失点を作らないことが重要です。

A日程の合格最低点の推移を見ると、500点満点中350点前後、つまり7割前後が一つの目安になります。もちろん、年度によって問題の難易度は異なりますが、3教科合計で7割を安定して超える力をつけておきたいところです。

B日程については、国語・算数の2教科入試であるため、負担が軽く見えるかもしれません。しかし、実際にはA日程より倍率が高くなりやすく、合格者数も年度によって変動します。

さらに、2026年度はB日程の満点構成と加点制度が変わっています。そのため、B日程を受験する場合は、2教科の学力だけでなく、A日程との併願、入学意思、加点条件まで含めて考える必要があります。

まとめ

関西学院中学部の入試結果を2020〜2026年度で見ると、2020〜2022年度は比較的厳しい倍率が続き、2023〜2025年度はやや落ち着いた時期でした。2026年度は、そこから少し競争が戻った年度と見ることができます。

A日程は、近年やや倍率が落ち着いていたものの、関西学院中学部を第一志望とする受験生にとっては依然として重要な入試です。3教科合計で7割前後を安定して取れる力をつけることが、合格への一つの目安になります。

B日程は、A日程より倍率が高くなりやすく、さらに2026年度は満点構成と加点制度に変更がありました。国語・算数の2教科入試という点だけを見て判断するのではなく、出願条件や加点制度も含めて慎重に考える必要があります。

関西学院中学部は、大学附属校としての人気と安定感を持つ学校です。倍率が一時的に下がった年度があっても、決して油断できる学校ではありません。

受験を考える場合は、年度ごとの倍率だけに振り回されず、A日程・B日程それぞれの特徴を理解したうえで、早い段階から国語・算数・理科の土台を固めていくことが大切です。

なお、この記事は関西学院中学部が公表している入試結果をもとに作成しています。最新の募集要項、入試日程、出願条件、加点制度などについては、必ず関西学院中学部の公式ホームページをご確認ください。

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