同志社香里中学校は、関西の中学受験において高い人気を集める学校の一つです。同志社大学への内部進学を見据えた進路面の魅力に加え、学校生活や教育内容への関心も高く、関関同立附属校を志望する受験生にとって有力な選択肢となっています。
その一方で、入試難度は決して低くありません。過去の入試結果を見ても、前期日程・後期日程ともに合格最低点は高い水準で推移しています。特に後期日程では、300点前後の合格最低点となる年度もあり、募集人数の少なさも含めて、非常に厳しい入試といえます。
そのため、同志社香里中学校の入試結果を見る際には、単に「倍率が上がった」「倍率が下がった」だけで判断するのではなく、もともと難度の高い学校であることを前提に、合格最低点の推移や科目別平均点を確認する必要があります。
今回は、2021年度から2026年度までの入試結果をもとに、同志社香里中学校の入試難度について整理します。
2021〜2026年度の合格最低点推移

2021〜2026年度の合格最低点の推移。学校公式資料で公表されている男女別の合格最低点を、合格者数で加重平均して作成しています。前期は2024年度を底に上昇傾向、後期は300点前後の高い水準となる年度もあり、厳しい入試であることが分かります。
※このグラフは、学校が公表している男女別の合格最低点をもとに、男女の合格者数で加重平均して作成した参考グラフです。学校公式資料に掲載されている数値そのものではなく、傾向を分かりやすく見るために作成しています。
2021〜2026年度の全体傾向
2021年度から2026年度までの合格最低点を見ると、同志社香里中学校は、年度によって上下しながらも、全体として高い得点力が求められる入試であることが分かります。
前期日程は、2021年度に高めの水準で始まり、その後2022年度から2024年度にかけて低下しました。しかし、2025年度・2026年度には再び上昇しています。
一方、後期日程は、前期日程よりも高い合格最低点になりやすい傾向があります。特に2024年度・2026年度は、加重平均で300点前後の水準となっています。
このことから、同志社香里中学校の入試は、単純に「年々難しくなっている」とも「年々易しくなっている」とも言い切れません。問題の難度や受験者層によって合格最低点は変動します。
ただし、長期的に見ると、前期・後期ともに一定以上の高い得点力が求められる学校であることは明らかです。特に後期日程は、年度によっては400点満点中300点前後が合格ラインとなるため、かなり高い完成度が必要になります。
前期日程の推移
2024年度を底に、2025年度・2026年度は上昇
前期日程の合格最低点は、2021年度は高めの水準でした。その後、2022年度、2023年度、2024年度にかけて低下し、2024年度にはこの6年間の中で最も低い水準となりました。
しかし、2025年度から再び上昇し、2026年度もさらに上がっています。
加重平均で見ると、前期日程の合格最低点は、2024年度が約251.0点、2025年度が約273.0点、2026年度が約280.0点です。2024年度から2026年度にかけて、約30点上昇したことになります。
この変化は重要です。
前期日程は、同志社香里中学校を第一志望とする受験生にとって中心となる入試です。その前期日程で合格最低点が上昇しているということは、近年は合格に必要な得点水準が高まっていると考えられます。
もちろん、合格最低点は問題の難度にも左右されます。合格最低点が上がったからといって、受験生全体の学力が上がったと断定することはできません。
しかし、受験生側から見れば、重要なのは「その年にどれだけ得点しなければ合格できなかったか」です。2025年度・2026年度の前期日程では、標準的な問題での取りこぼしを減らし、安定して得点する力がより重要になったといえます。
後期日程の推移
300点前後の高い合格最低点に注意
後期日程は、前期日程と比べて合格最低点が高くなりやすい傾向があります。
2021年度から2026年度までの推移を見ると、後期日程は多くの年度で前期日程を上回っています。特に2024年度と2026年度は、加重平均で300点前後の合格最低点となっています。
400点満点の入試で300点前後ということは、おおよそ75%前後の得点が必要になるということです。これはかなり高い水準です。
後期日程は、募集人数が前期日程より少なくなります。また、前期で思うような結果が出なかった受験生や、他校との併願を考える受験生も集まりやすいため、受験者層の水準が高くなりやすい入試です。
2025年度は後期日程の合格最低点がやや下がりました。しかし、2026年度には再び300点前後まで上昇しています。
したがって、2025年度だけを見て「後期が易しくなった」と考えるのは危険です。長期的に見ると、同志社香里中学校の後期日程は、依然としてかなり厳しい入試であると考えるべきです。
前期と後期の違い
2021〜2026年度の推移を見ると、前期日程と後期日程では、入試の性格が異なることが分かります。
前期日程は、年度によって合格最低点の上下が見られます。2024年度には低下しましたが、2025年度・2026年度には上昇しました。近年は再び高い水準に戻ってきています。
一方、後期日程は、全体として高い水準で推移しています。年度によって多少の上下はあるものの、300点前後となる年度もあり、前期以上に高得点が求められやすい入試です。
つまり、前期日程では「標準問題を確実に得点する安定感」が重要になります。後期日程では、それに加えて「高い完成度」が必要になります。
同志社香里中学校を目指す場合、まずは前期日程での合格を目標にする受験生が多いと思います。その場合でも、近年の前期日程では合格最低点が上昇しているため、基本問題や標準問題での失点を減らすことが大切です。
後期日程まで視野に入れる場合は、さらに高い得点水準を想定した準備が必要になります。
倍率だけでは難度を判断できない
入試結果を見るとき、多くの人がまず倍率に注目します。もちろん倍率も重要な数字です。
しかし、同志社香里中学校のように受験者層の水準が高い学校では、倍率だけで入試難度を判断することはできません。
たとえば、2026年度後期日程の実質倍率は、前年より低下しました。2025年度後期の実質倍率は4.5倍、2026年度後期は3.7倍です。
数字だけを見ると、2026年度は前年より受けやすくなったように見えます。
しかし、2026年度後期の合格最低点は、男子305.00点、女子297.00点でした。男女別の合格最低点を合格者数で加重平均すると、約300.7点となります。
つまり、実質倍率は下がっていても、合格に必要な得点水準は高いままだったということです。
このように、倍率が下がったからといって、必ずしも入試が易しくなったとは限りません。同志社香里中学校の入試を分析する際には、倍率、合格最低点、受験者平均点、合格者平均点をあわせて見る必要があります。
科目別平均点から見る近年の特徴
合格最低点の推移とあわせて、科目別平均点も確認しておく必要があります。
2026年度前期日程では、国語の平均点上昇が目立ちました。前期日程の国語の受験者平均点は、2024年度が58.3点、2025年度が68.8点、2026年度が85.7点でした。2026年度は国語で得点しやすかった可能性があります。
一方で、前期日程の算数の受験者平均点は、2024年度が70.8点、2025年度が68.9点、2026年度が64.9点でした。国語とは反対に、算数は平均点が下がっています。
このように、科目ごとの難度は年度によって変わります。ある年度では国語が得点源になり、別の年度では算数で差がつくこともあります。
同志社香里中学校を目指す場合、特定の科目だけに頼るのではなく、4科目全体で安定して得点できる力が必要です。
特に算数は、合否に大きく関わりやすい科目です。2026年度後期日程では、算数の受験者平均点が63.9点であったのに対し、合格者平均点は83.6点でした。受験者平均点と合格者平均点の差が大きく、算数でしっかり得点できた受験生が合格に近づいたと考えられます。
同志社香里中学校を目指す受験生が意識したいこと
2021年度から2026年度までの推移を見ると、同志社香里中学校の入試では、年度による変動はあるものの、全体として高い得点力が求められていることが分かります。
前期日程では、2024年度を底に、2025年度・2026年度と合格最低点が上昇しています。近年の前期日程では、基本問題や標準問題を確実に得点する力がより重要になっていると考えられます。
後期日程では、300点前後の合格最低点となる年度もあり、非常に厳しい入試です。後期まで受験を考える場合は、前期以上に高い完成度を目指す必要があります。
また、科目ごとの難度は年度によって変化します。国語が得点しやすい年度もあれば、算数で差がつく年度もあります。そのため、どの科目でも大きく崩れないバランスのよい学力が必要です。
特に算数では、計算の正確さ、条件整理の力、文章題への対応力、そして問題の取捨選択が重要です。難しい問題をすべて解き切ることよりも、まずは得点すべき問題を確実に取り切ることが大切です。
まとめ
2021年度から2026年度までの入試結果を見ると、同志社香里中学校は、年度によって合格最低点の上下はあるものの、全体として高い得点水準が求められる学校であることが分かります。
前期日程では、2024年度に合格最低点が下がったものの、2025年度・2026年度と再び上昇しています。近年は、前期日程でも高い得点力が求められる傾向が見られます。
後期日程では、300点前後の合格最低点となる年度もあり、前期以上に厳しい入試になりやすい傾向があります。
同志社香里中学校の入試を考える際には、倍率だけを見るのではなく、合格最低点の推移や科目別平均点の変化をあわせて確認することが重要です。
倍率が下がった年度であっても、合格最低点が高い水準にあれば、決して楽な入試とはいえません。
同志社香里中学校を目指す受験生は、標準問題を確実に得点する力を身につけたうえで、算数を中心に差がつく問題への対応力を高めていく必要があります。
なお、入試制度、募集要項、最新の入試情報については、必ず同志社香里中学校の公式ホームページでご確認ください。

