関西大学第一中学の入試結果から見る近年の傾向

関西大学第一中学の入試結果から見る近年の傾向

関西大学第一中学校の入試では、2科型と4科型のどちらを選ぶかが重要なポイントになります。科目数だけを見ると2科型の方が負担が軽いように見えますが、近年の入試結果を確認すると、2科型は4科型より実質倍率が高くなりやすい傾向があります。この記事では、関大一中の入試結果をもとに、2科型・4科型の違いや、4科型の得点判定方式、受験方式を選ぶ際の注意点を整理します。

目次

2科型・4科型の違いと受験方式選択の注意点

関西大学第一中学校の入試結果を2021年度から2026年度まで確認すると、年度によって受験者数や合格者数には変動があります。

その中で特に注目したいのは、2科型と4科型の違です。

関大一中では、2科型と4科型のどちらかを選択して受験します。
2科型は国語・算数の2教科で受験できるため、一見すると負担が軽いように感じられます。

しかし、2021年度から2026年度までの資料を見ると、2科型は4科型より実質倍率が高くなりやすい傾向が続いています。

また、4科型は単純に4教科合計だけで判定される方式ではありません。
国語・算数の2教科合計を2倍した点数と、4教科合計点のうち、高い方が判定に使われます。

つまり、関大一中の入試では、「2科型は科目数が少ないから楽」「4科型は理社があるから不利」と単純に考えるのではなく、入試結果と判定方式の両方をふまえて受験方式を考える必要があります。

この記事では、2021年度から2026年度までの入試資料をもとに、関大一中の近年の入試傾向を整理します。

近年の入試結果から見える全体像

まず、2021年度から2026年度までの受験者数と合格者数を確認します。

資料によると、募集人員は各年度とも約240名です。

受験者数は、2021年度469名、2022年度465名、2023年度493名、2024年度447名、2025年度554名、2026年度494名でした。

この6年間で最も受験者数が多かったのは2025年度です。
2025年度は554名が受験しており、他年度と比べても受験者数が多い年度でした。

2026年度は494名となり、2025年度よりは減少しています。
ただし、2024年度の447名よりは多く、2026年度も一定の受験者数を維持しています。

一方、合格者数を見ると、2021年度250名、2022年度252名、2023年度256名、2024年度258名、2025年度253名、2026年度264名です。

受験者数は年度によってある程度変動していますが、合格者数はおおむね250名前後で推移しています。

そのため、受験者数が大きく増えた年度には、実質倍率も高くなりやすい構造になっています。

全体の実質倍率は2025年度が最も高い

受験者数を合格者数で割った実質倍率を見ると、年度ごとの違いがよりはっきりします。

2021年度は、受験者469名に対して合格者250名で、実質倍率は約1.88倍です。
2022年度は、受験者465名に対して合格者252名で、約1.85倍です。
2023年度は、受験者493名に対して合格者256名で、約1.93倍です。
2024年度は、受験者447名に対して合格者258名で、約1.73倍です。
2025年度は、受験者554名に対して合格者253名で、約2.19倍です。
2026年度は、受験者494名に対して合格者264名で、約1.87倍です。

この6年間では、2025年度の実質倍率が最も高くなっています。

2025年度は受験者数が大きく増えた一方で、合格者数は他年度と大きく変わらなかったため、倍率が上がったと考えられます。

2026年度は、2025年度より受験者数が減り、合格者数はやや増えたため、実質倍率は下がりました。

ただし、2026年度の実質倍率は約1.87倍であり、2024年度の約1.73倍よりは高くなっています。
そのため、2026年度は「2025年度ほどの高倍率ではないが、極端に入りやすくなったわけでもない」と見るのが自然です。

2科型と4科型では実質倍率の出方が違う

関大一中の入試結果を見るうえで、特に重要なのは2科型と4科型を分けて見ることです。

2021年度から2026年度までの2科型・4科型別の実質倍率を整理すると、次のようになります。

上のグラフを見ると、2021年度から2026年度まで、2科型の実質倍率はすべての年度で4科型を上回っています。
特に2025年度・2026年度は、2科型が2倍台後半となっており、科目数が少ないからといって単純に受けやすいとは言えません。
一方、4科型は6年間を通じて1倍台で推移しており、関大一中を受験する際には、4科型の判定方式も含めて検討する必要があります。

2科型の実質倍率は、2021年度が約2.60倍、2022年度が約2.03倍、2023年度が約2.21倍、2024年度が約1.92倍、2025年度が約2.77倍、2026年度が約2.68倍です。

一方、4科型の実質倍率は、2021年度が約1.60倍、2022年度が約1.75倍、2023年度が約1.76倍、2024年度が約1.61倍、2025年度が約1.86倍、2026年度が約1.51倍です。

6年間を通して見ると、2科型は毎年2倍前後から2倍台後半で推移しています。
特に2025年度・2026年度は、2科型が2倍台後半となっており、高めの倍率になっています。

一方、4科型は2021年度から2026年度まで、いずれも1倍台で推移しています。

この資料の範囲では、関大一中では2科型の方が高倍率になりやすい傾向が続いていると言えます。

もちろん、実質倍率だけで合格のしやすさを単純に判断することはできません。
受験者層、各年度の問題難易度、得点分布、合格者数の出し方なども関係します。

それでも、少なくとも2021年度から2026年度までの資料を見る限り、「2科型は科目数が少ないから楽」とは言い切れません。

「2科型=楽」とは言い切れない

2科型は、国語・算数の2教科で受験できるため、理科・社会の学習負担を減らせるというメリットがあります。

そのため、受験生や保護者の方にとっては、4科型より取り組みやすく見えるかもしれません。

しかし、関大一中の2021年度から2026年度までの入試結果を見る限り、2科型は4科型より高倍率になりやすい傾向があります。

2科型は科目数が少ない分、国語・算数の得点力がそのまま合否に直結しやすくなります。
特に算数で大きく崩れてしまうと、理科・社会で補うことができません。

つまり、2科型は「科目数が少ないから楽」というより、国語・算数でしっかり勝負できる受験生向けの方式と考えるべきです。

国語・算数の得点が安定しているか。
特に算数で大きく崩れないか。
この点を見極めたうえで、2科型を選ぶ必要があります。

4科型は「4教科合計だけ」で判定されるわけではない

関大一中の4科型については、判定方法を正しく理解しておく必要があります。

資料によると、4科型では国語・算数・社会・理科の4教科を受験します。
ただし、得点は単純に4教科合計だけで判定されるわけではありません。

4科型では、次の2つのうち高い方が、受験生の得点として扱われます。

つまり、4科型で受験した場合でも、理科・社会の得点が伸びなかったからといって、必ずしも不利になるわけではありません。

国語・算数でしっかり得点できていれば、国算2科換算で評価されます。
一方で、理科・社会でも得点できれば、4教科合計でさらに得点を伸ばせる可能性があります。

この仕組みは、関大一中の受験方式を考えるうえで非常に重要です。

4科型は、理科・社会が得意な生徒だけの方式ではありません。
国語・算数を軸にしながら、理科・社会でも得点を積み上げたい生徒にとっても、検討する価値があります。

4科型を選ぶときの注意点

ただし、4科型で受験すれば必ず有利になる、というわけではありません。

4科型を選ぶ場合、当然ながら理科・社会の学習時間も必要になります。

理科・社会の準備に時間をかけすぎて、国語・算数の完成度が下がってしまうようであれば、本末転倒です。

関大一中の4科型は、国算2科換算と4教科合計の高い方で判定されるため、制度上は検討しやすい方式です。

しかし、中学受験において、国語・算数が重要であることは変わりません。

4科型を選ぶ場合も、まずは国語・算数で安定して得点できる力をつけることが大切です。
そのうえで、理科・社会をどこまで得点源にできるかを考える必要があります。

合格最低点の推移を見るときの注意点

合格最低点についても、2021年度から2026年度までの資料を確認できます。

関大一中の合格最低点は、2021年度269点、2022年度287点、2023年度283点、2024年度285点、2025年度248点、2026年度260点です。

この数字を見ると、年度によって合格最低点に差があることがわかります。

ただし、合格最低点は受験者層だけでなく、その年度の問題の難易度にも大きく左右されます。

問題が得点しやすい年度であれば、受験生全体の得点が上がり、合格最低点も高く出やすくなります。
反対に、問題が得点しにくい年度であれば、合格最低点は低く出やすくなります。

そのため、合格最低点だけを見て、「この年度は難しかった」「この年度は易しかった」と単純に判断することはできません。

合格最低点は、あくまでその年度の問題難易度や受験者層を含んだ結果として見るべきです。

入試傾向を考えるうえでは、合格最低点だけでなく、受験者数・合格者数・実質倍率・科目ごとの平均点などを合わせて確認する必要があります。

指導現場から見た関大一中対策

関大一中対策を指導していて感じるのは、2科型受験は思っている以上にリスクが高いということです。

2科型は国語・算数だけで受験できるため、一見すると負担が軽いように見えます。
しかし、関大一中では2科型の実質倍率が4科型より高くなりやすく、さらに国語・算数のどちらかで崩れると、他教科で補うことができません。

特に注意したいのは、算数が得意な生徒であっても、国語が苦手な場合です。
以前の関大一中の算数は、標準的な問題が多く、算数が得意な生徒であれば高得点を狙いやすい年度もありました。実際、2024年度の算数平均点は、2科型で73点、4科型で76点と高く出ています。

そのため、算数で90点以上を狙えるような生徒にとっては、2科型が有利に働く場合もありました。

しかし、2025年度以降は算数の平均点が下がっています。
2科型の算数平均点は、2024年度73点から、2025年度53点、2026年度55点となっています。
4科型でも、2024年度76点から、2025年度57点、2026年度57点となっています。

この変化を見ると、少なくとも2025年度以降は、算数で大きく得点を稼ぐことが以前より難しくなっている可能性があります。

もちろん、平均点はその年度の問題難易度や受験者層にも左右されるため、単純に「今後も必ず算数が難しい」と断定することはできません。
ただ、近年の結果を見る限り、算数だけで大きく押し切る受験は以前よりリスクが高くなっていると感じます。

そのため、国語に不安がある生徒には、2科型受験はあまりすすめにくいです。
算数が得意であっても、国語で大きく失点すると、2科型では挽回が難しくなります。

一方、4科型では、国語・算数の2科換算と4教科合計のうち高い方で判定されます。
そのため、国語・算数を軸にしながら、理科・社会でも得点を積み上げられる生徒にとっては、4科型の方が現実的な選択肢になりやすいです。

もちろん、4科型を選ぶ場合も、国語・算数の土台が重要であることは変わりません。
ただ、関大一中の入試制度と近年の算数平均点の変化をふまえると、国語に不安がある生徒、算数だけで押し切る形に不安がある生徒は、4科型受験を基本に考える方がよいと感じています。

関大一中を目指す受験生が意識したいこと

関大一中を目指す場合は、まず国語・算数の得点力を安定させることが大切です。

2科型で受験する場合は、国語・算数のどちらか一方に大きな不安があると、合否が不安定になりやすくなります。
特に算数で得点差がつきやすい一方で、国語で大きく失点すると、2教科だけでは取り返しにくくなります。

4科型で受験する場合も、国語・算数の土台が重要であることは変わりません。
そのうえで、理科・社会をどこまで得点源にできるかがポイントになります。

関大一中の4科型は、国算2科換算と4教科合計の高い方で判定されるため、国語・算数を軸にしながら理科・社会でも得点を積み上げられる生徒にとっては、検討する価値があります。

大切なのは、「2科型の方が科目数が少ないから楽」と単純に考えないことです。
本人の得意科目・苦手科目、現在の学習状況、残された準備期間をふまえて、どちらの受験方式が合っているかを慎重に判断する必要があります。

まとめ

関大一中の2021年度から2026年度までの入試結果を見ると、2科型と4科型では実質倍率に違いがあります。

資料上、2021年度から2026年度まで毎年、2科型の方が4科型より実質倍率が高くなっています。
そのため、関大一中では「2科型=楽」とは言えません。

また、4科型は国語・算数の2科換算と4教科合計の高い方で判定される仕組みがあります。
理科・社会で得点を積み上げられる生徒、または国語・算数を軸にしながら理科・社会でも大きく崩れない生徒にとっては、4科型を検討する価値があります。

合格最低点や科目平均点は年度によって差がありますが、問題難易度にも左右されるため、点数だけで年度ごとの難しさを単純に比較することはできません。

関大一中を目指す場合は、過去問演習を通じて国語・算数の得点力を高めることを基本にしながら、本人に合った受験方式を慎重に選ぶことが大切です。

なお、入試制度や募集要項、得点の扱い、最新の入試結果については年度によって変更される可能性があります。
受験を検討される場合は、必ず関西大学第一中学校の公式ホームページで最新情報をご確認ください。

出典:関西大学第一中学校公式HP掲載の入試結果・入試資料をもとに作成

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