立命館宇治中の自己推薦入試対策は、6年生から始めることが一般的です。実際、6年生からのスタートでも十分に結果を出してきました。
しかし、指導する立場から言えば、「もっと早く始めていれば……」と感じたケースがあるのも事実です。
5年生のうちから準備を進め、苦手分野を一つずつ克服できていれば、6年生になってからの対策にもっと余裕を持って臨めたのではないか。そう思うことがあったからです。
では、5年生のうちに何をすればよいのでしょうか。どのような準備ができるのでしょうか。
まずは、お子さんが現在どのような状況にあるのか。その「現在地」から考えていきます。
まず確認したい「中学受験の勉強」の有無
最初に確認したいのは、中学受験の勉強をしているかどうかです。
大きく分けると、次の3つのケースがあります。
- 現在、中学受験の勉強をしている
- 以前、中学受験の勉強をしていたが、現在はしていない
- 中学受験の勉強をしたことがない
この違いによって、5年生のうちに取り組むべき内容も、必要になる時間も大きく変わります。
ケース① 現在、中学受験の勉強をしている
現在、中学受験塾に通っている場合、重要なのは「塾に通っている」という事実ではありません。
現在、塾でどのくらいの成績を取れているのか。
ここを確認します。
成績上位層
塾で上位にいるお子さんであれば、五ツ木・駸々堂模試については、特別な対策をしなくても十分な成績を取れるケースが多くあります。
より確実に結果を出したいのであれば、五ツ木・駸々堂模試に合わせた対策プリントを取り入れてもよいでしょう。
この層については、模試対策だけに多くの時間を割く必要はありません。
成績中位層
中位のお子さんについては、五ツ木・駸々堂模試に合わせた対策をしておいた方がよいと考えています。
塾の学習を続けながら、対策プリントなどを使って得点するための準備を進めます。
また、苦手な単元がはっきりしている場合は、5年生のうちにできるだけ手を入れておきます。
成績下位層
下位のお子さんの場合は、対策プリントを解くだけでは足りません。
理解できていない単元や苦手分野まで戻り、中学受験の勉強そのものを立て直しながら、五ツ木・駸々堂模試への対策を進める必要があります。
当然、中位のお子さんよりも多くの時間が必要になります。
実際、立命館宇治中の自己推薦を目指してご相談いただく中では、この層のお子さんも少なくありません。
「塾に通っているから五ツ木・駸々堂模試なら大丈夫」は大間違い
五ツ木・駸々堂模試について、「それほど難しい模試ではない」と考えている保護者の方は少なくありません。
「中学受験塾に通っているのだから、五ツ木・駸々堂模試なら大丈夫」
そう思われている方も多いのですが、これは大きな間違いです。
特別な対策をしなくても五ツ木・駸々堂模試で安定して高い成績を取れるのは、基本的には塾でも上位にいるお子さんです。
特に中位以下のお子さんについては、一度認識していただきたいことがあります。
塾で中位以下にいるということは、現在の塾の学習がうまくいっているとは言えません。
授業には出席している。
宿題もしている。
毎週のテストも受けている。それでも成績が中位以下なのであれば、理解が不十分な単元や、定着していない解法、積み残している苦手分野があると考える必要があります。
「塾に通っている」ことと、「中学受験の勉強が順調に進んでいる」ことは別です。
6年生になると、塾の勉強はさらに忙しくなります。
通常の授業、宿題、復習、テスト対策をこなしながら、五ツ木・駸々堂模試の対策を進め、さらに過去の苦手分野までやり直すとなれば、かなりの負担になります。
だからこそ、比較的時間のある5年生のうちに現在地を確認し、必要な対策を進めておきたいのです。
ケース② 以前、中学受験の勉強をしていた
以前は中学受験塾に通っていた、あるいは家庭で中学受験の勉強をしていたものの、現在はしていないというケースです。
この場合は、過去の成績だけでは判断しません。
以前できていた内容でも、時間が空けば忘れていることがあります。逆に、一度学習しているため、少し復習すればすぐに戻るケースもあります。
まず現在の学力を確認し、先ほどの「上位・中位・下位」のどのレベルに相当するのかを見極めます。
その結果によって、
- 特別な対策はほとんど必要ない
- 五ツ木・駸々堂模試の対策プリントを中心に進める
- 苦手分野まで戻って中学受験内容をやり直す
など、現在の実力に合わせて5年生の対策内容を決めます。
ケース③ 中学受験の勉強をしたことがない
このケースは、ここまでとは話が大きく変わります。
特殊算をはじめとする中学受験特有の内容を一から学習する必要があります。
つまり、五ツ木・駸々堂模試の「対策」から始めるのではなく、中学受験の勉強そのものからスタートすることになります。
当然、現在中学受験の勉強をしているお子さんよりも、多くの時間が必要です。
そのため、中学受験未経験のお子さんについては、いくつかの条件を確認したうえで、ご依頼をお受けできるかどうかを判断しています。
① 5年生の学習内容に遅れがないこと
まず、小学5年生として身につけておくべき学校の学習内容に遅れがないことが条件です。
中学受験の勉強を一から始めるだけでも相当な学習量になります。
そこに学校内容の復習まで加えて、同時に進めるだけの時間的な余裕はありません。
学校のカラーテストではほぼ満点を取れていること、算数・国語・理科に極端な苦手がないことなどを確認します。
学校の学習内容に大きな遅れがある場合は、5年生からの立命館宇治中自己推薦対策のご依頼はお受けしていません。
② 家庭学習の習慣があること
5年生から中学受験の勉強を始めるのであれば、指導を受ける時間だけでは到底足りません。
課題や復習を自宅で継続して進められる家庭学習の習慣が必要です。
また、ご家庭のサポート体制によっても必要な指導時間は変わります。
ご家庭で中学受験の内容まで教えることができるのか。
教えることは難しくても、学習時間や課題、進捗状況を管理できるのか。
それとも、家庭での学習管理そのものが難しいのか。
同じ学力のお子さんでも、ここによって必要になる指導時間は大きく変わります。
家庭学習は単純な「時間」だけではありません。
家庭学習の濃さ、充実度も重要です。
③ 習い事との両立が可能か
中学受験の勉強をしたことがない場合は、現在の習い事についても確認します。
特に、運動系の習い事を続けながらのスタートは難しいと考えています。
週に何度も練習がある。
土日に試合や遠征がある。
このような生活を続けながら、中学受験の勉強を一から始め、五ツ木・駸々堂模試で自己推薦資格を狙えるところまで引き上げるだけの学習時間を確保するのは現実的ではありません。
中学受験未経験の状態から5年生でスタートするのであれば、これまでの生活に中学受験の勉強を「追加する」という考え方では難しくなります。
中学受験の勉強を優先できる生活に切り替えられること。
これも、ご依頼をお受けするうえで確認したい条件の一つです。
5年生で取り組むべき2つの柱
ここまで現在地を確認したうえで、5年生から具体的な対策を始めます。
私が5年生から立命館宇治中の自己推薦を意識して指導する場合、大きな柱になるのは、**「算数」と「英語資格」**です。
① 算数対策は「現在地」によって変える
算数については、全員に同じ対策をするわけではありません。
現在の学力や中学受験の勉強経験によって、スタート地点を変えます。
| 現在の状況 | 5年生のうちに取り組むこと |
|---|---|
| 上位層 | 特別な五ツ木・駸々堂模試対策は基本的に不要。必要に応じて対策プリントを取り入れる |
| 中位層 | 対策プリントを進めながら、見つかった弱点や苦手単元まで戻って補強する |
| 下位層 | 模試対策だけではなく、特殊算など理解できていない中学受験内容まで戻って学習する |
| 中学受験未経験 | 五ツ木・駸々堂模試対策の前段階として、中学受験算数そのものを一から学習する |
上位層なら「対策なし」でもOK
中学受験塾で上位にいるお子さんであれば、五ツ木・駸々堂模試のためだけに特別な勉強をする必要はないケースもあります。
より確実に結果を出したい場合は、対策プリントを取り入れる程度でよいでしょう。
中位層なら「対策プリント+α」
中位のお子さんは、対策プリントだけで終わらせません。
そこで見つかった弱点にも手を入れていきます。
「問題を解く→間違える→解説を読む」で終わらせるのではなく、なぜ間違えたのかを確認し、必要なら該当単元まで戻ります。
5年生のうちだからこそ、こうした時間を取ることができます。
下位層なら苦手分野から徹底的に
下位のお子さんの場合は、五ツ木・駸々堂模試の問題だけを繰り返しても十分な効果は期待できません。
特殊算を含め、理解できていない中学受験内容まで戻って学習します。
6年生になってから塾のカリキュラムと並行してこれを行うのは、かなり大変です。
だからこそ、6年生へ持ち越す苦手分野を、5年生のうちにできる限り減らしておく必要があります。
中学受験未経験なら「中学受験算数」からスタート
中学受験の勉強をしたことがないお子さんは、そもそも五ツ木・駸々堂模試対策から始める段階ではありません。
特殊算など、中学受験算数の学習からスタートします。
当然、必要になる学習量も指導時間も最も多くなります。
同じ「5年生からの立命館宇治中自己推薦対策」でも、上位のお子さんと中学受験未経験のお子さんでは、やることも必要な時間もまったく違うということです。
② 5年生のうちに英検3級以上を目指す
もう一つの大きな柱が英語資格です。
まず確認するのは、現在英検を何級まで取得しているのか。まだ取得していないのであれば、どの程度の英語学習経験があるのかです。
私が5年生から指導するのであれば、少なくとも5年生のうちに英検3級以上を取得することを目標にします。
すでに英検3級以上を取得しているのであれば、その分、算数などの対策に時間を使うことができます。
まだ取得していない場合は、算数と並行して英検対策を進めます。
6年生は、五ツ木・駸々堂模試で自己推薦資格を狙うための重要な時期です。
その時期になってから英検対策にも多くの時間を使うより、5年生のうちに取得できる資格は取得しておいた方が、6年生の学習を進めやすくなります。
6年生になってから、
- 塾の通常学習
- 五ツ木・駸々堂模試対策
- 自己推薦に向けた準備
- 英検対策
をすべて同時に進めるのは、かなりの負担です。
5年生のうちに終わらせられるものは、できるだけ5年生のうちに終わらせておく。
英検3級以上の取得は、その代表的なものだと考えています。
まとめ|5年生のうちに「6年生で困らない状態」をつくる
立命館宇治中の自己推薦対策は、6年生からでもできます。
実際、私自身も6年生から指導を始め、結果を出してきました。
ですから、「5年生から始めなければ間に合わない」という話ではありません。
ただ、5年生から始められるのであれば、できることはたくさんあります。
- 現在の学力を確認する
- 6年生に持ち越す苦手分野を減らしておく
- 五ツ木・駸々堂模試への対応力をつける
- 英検3級以上を取得しておく
5年生のうちにできることを一つずつ終わらせておけば、6年生になってから自己推薦対策に集中しやすくなります。
5年生から何でも先取りするのではありません。
「6年生になったときに困らない状態をつくっておく」。
それが、私が考える5年生からの立命館宇治中・自己推薦対策です。

