五ツ木・駸々堂模試の変化から考える、立命館宇治中の自己推薦入試の現在地

五ツ木・駸々堂模試の変化から考える、立命館宇治中の自己推薦の現在地

立命館宇治中学校の自己推薦を取り巻く状況は、以前とは少し変わってきたように感じています。

8月30日に第4回五ツ木・駸々堂模試が終わりました。

受験された皆さん、お疲れさまでした。

2025年頃から、五ツ木・駸々堂模試の算数の出題傾向に変化が見られることについては、これまでも何度かお話ししてきました。

今回の第4回を見ても、やはりその傾向は続いていると感じています。

目次

五ツ木・駸々堂模試は、極端に難しくなったわけではない

ただし、極端に難しくなったわけではありません。

出題される単元が大きく変わったわけでもなく、大きな枠で見れば、これまでの過去問と共通する考え方を使う問題が中心です。

基本的な問題から、少し形を変えた程度。

そう見える問題も少なくありません。

しかし、その「少しの変化」に対応できるかどうかが、以前より大きな差になっているように感じます。

以前は「対策次第」で自己推薦を狙えた

以前の五ツ木・駸々堂模試は、今よりも対策が取りやすかったように思います。

過去問を分析し、頻出分野や出題形式を押さえ、類似問題を繰り返す。

そうした対策を積み重ねることで、もともとの算数の実力がそれほど高くない生徒でも、偏差値を引き上げられるケースがありました。

また、立命館宇治中学校の自己推薦で求められるボーダーも、現在ほど高くありませんでした。

そのため、算数偏差値50前後の生徒であっても、五ツ木・駸々堂模試に照準を合わせて対策することで、自己推薦を狙えるケースがありました。

つまり以前は、

「現時点では算数の力が十分ではなくても、対策次第では自己推薦ラインまで届く」

という戦略が成立していたということです。

問題は「難化」よりも「少しの変化」

しかし、2025年以降、その前提が少しずつ崩れてきたように感じています。

今の五ツ木・駸々堂模試では、大きな枠では過去問の類題であっても、条件の与え方や聞かれ方が少し変わっています。

図で与えられていたものが文章になる。

見慣れた問題に別の条件が加わる。

使う考え方は同じでも、問題の見た目が少し変わる。

この程度の変化です。

だからこそ、一見するとそれほど難しくなったようには見えません。

しかし、解き方を型として覚えているだけの生徒にとっては、この「少しの変化」が大きな壁になります。

過去問では解けた。

類似問題も何度もやった。

それでも、聞かれ方が少し変わるだけで手が止まってしまう。

一方で、

「この問題では結局、何を考えているのか」

を理解できている生徒は、見た目が変わっても対応できます。

何が分かっているのか。

何を求めなければならないのか。

どの数量とどの数量が関係しているのか。

なぜその考え方を使えば答えに近づくのか。

そこまで理解しているかどうかです。

特殊算の型ではなく、問題の本質を理解する力

中学受験算数では、旅人算、つるかめ算、仕事算、過不足算など、さまざまな特殊算を学びます。

もちろん、それぞれの解き方を身につけることは必要です。

ただ、

「これは旅人算だから、この解き方」

「これは仕事算だから、この方法」

と、特殊算の名前と解法だけを結びつけて覚えていると、問題の形が少し変わっただけで別の問題に見えてしまいます。

特殊算を使うことが目的ではありません。

正解にたどり着くことが目的です。

そのためには、一つの問題で学んだ考え方を、別の形の問題にも使える必要があります。

言い換えれば、問題を抽象化して捉える力です。

「この問題とこの問題は見た目は違うけれど、結局は同じことを考えている」

と捉えることができれば、多少形が変わっても対応できます。

逆に、一問一答のように解法を覚えているだけでは、問題が少し変化するたびに、新しい問題として覚え直さなければなりません。

すべての出題パターンを予想することはできない

では、出題される変化をあらかじめすべて予想し、それに対応した問題を用意すればよいのか。

それも現実的ではありません。

条件の変え方。

数字の変え方。

聞き方の変え方。

図や表の使い方。

他単元との組み合わせ。

考えられる可能性をすべて想定すれば、取り組まなければならない問題数は膨大になります。

限られた受験勉強の時間の中で、それらをすべて経験させることはできません。

まして、算数が苦手な生徒にとっては、それだけの問題を消化すること自体が難しいでしょう。

だからこそ、今の五ツ木・駸々堂模試では、以前よりも生徒自身の算数力が問われやすくなっているように感じます。

模試が極端に難しくなったわけではありません。

ただ、対策だけでは埋められない部分が増えた。

私はそう捉えています。

以前は、過去問や類似問題を繰り返すことで埋めることのできた部分を、今は生徒自身の理解力や応用力で埋めなければならなくなってきている。

立命館宇治中の自己推薦を狙える生徒像が変わってきた

そして、そこに立命館宇治中学校の自己推薦で求められる偏差値の上昇が重なります。

以前であれば、偏差値55前後でも狙える余地がありました。

しかし現在は、60付近が一つの目安になってきています。

五ツ木・駸々堂模試の対策が以前より取りにくくなった。

そのうえ、自己推薦で求められる偏差値も高くなった。

この二つが重なることで、立命館宇治中学校の自己推薦を狙える生徒の層そのものが、以前とは変わってきたのではないかと思います。

以前は、

「算数はそれほど得意ではないが、五ツ木・駸々堂模試に特化した対策を重ねれば自己推薦を狙える」

という生徒がいました。

今は、それだけでは厳しい。

もともとある程度の算数の力があり、さらに、覚えた解法をそのまま当てはめるのではなく、問題の本質を理解し、形が変わっても対応できる。

そうした生徒でなければ、自己推薦を安定して狙うことが難しくなってきているのではないか。

今回の第4回五ツ木・駸々堂模試を見て、改めてそう感じました。

つまり、変わってきたのは単なる対策方法ではありません。

立命館宇治中学校の自己推薦を、どのような生徒なら現実的に狙うことができるのか。

その「現在地」そのものが、以前とは少し変わってきている。

だからこそ、自己推薦を勧める段階で、その生徒が本当にこの入試方式に向いているのかを、これまで以上に慎重に見極める必要がある。

今は、そう考えています。

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