立命館宇治中学校には、「SA推薦」と呼ばれる推薦入試があります。
SAとは「Scholar Athlete & Artist」の略で、スポーツや文化・芸術活動に高いレベルで取り組みながら、学業との両立を目指す生徒を対象とした制度です。
私は2026年度入試において、実際にSA推薦入試を受験した生徒を指導し、合格までお手伝いすることができました。
その生徒は、競技実績として全国大会レベルの実績を持っていました。
その経験も踏まえながら、SA推薦入試の仕組みや学力面での考え方、実際に受験する際に注意したい点について解説します。
SA推薦は「特技だけ」で受験できる入試ではありません
SA推薦という名称から、
「スポーツや芸術で高い実績があれば、学力はそれほど必要ないのでは?」
と思われる方もいるかもしれません。
しかし、実際にはそうではありません。
立命館宇治中学校の入試説明資料では、SA推薦は「特技+学力推薦」と位置づけられています。
資格選考では、主に次のような要素を含めて総合的に判断されます。
- 特技の実績と将来性
- 模擬試験の偏差値結果
- 小学5・6年生の成績

つまり、活動実績だけで判断される入試ではありません。
どの分野がSA推薦の対象になるかは事前確認が必要です
SA推薦では、スポーツや文化・芸術活動の実績が評価されます。
ただし、どの競技や活動分野がSA推薦の対象になるのかについては、ネット上の公開情報だけでは必ずしも明確ではありません。
競技名や活動内容だけを見て、
「自分は対象になる」
「この活動ならSA推薦で受験できる」
と判断するのは避けた方がよいでしょう。
SA推薦を検討している場合は、学校説明会や個別相談などの機会を利用して、
- 自分の取り組んでいる競技・活動が対象になるのか
- どの程度の実績が求められるのか
- どのような資料を提出する必要があるのか
を、事前に学校へ確認しておくことが大切です。
特技の内容や実績については、学力以上に個別性が高い部分です。
そのため、ネット上の情報だけで判断せず、できるだけ早い段階で学校に確認しておくことをおすすめします。
活動実績はどの程度必要なのか
SA推薦で求められる活動実績について、「全国大会出場以上」などの一律の基準が公表されているわけではありません。
学校資料でも、「特技の実績と将来性」とされており、明確な大会名や順位まで示されているわけではありません。
そのため、
都道府県大会レベルでよいのか
地方・ブロック大会レベルが必要なのか
全国大会レベルまで必要なのか
という点については、競技や活動分野によって判断が異なると考えた方がよいでしょう。
ただし、私が2026年度入試で実際に指導したSA推薦合格者は、全国大会レベルの実績を持っていました。
もちろん、全国大会出場が一律の必須条件という意味ではありません。
しかし、SA推薦を検討するのであれば、単に「習い事を長く続けている」「地域大会で入賞したことがある」といったレベルではなく、相応に高い活動実績が求められると考えておいた方がよいでしょう。
実績面についても、自己判断せず、学校説明会や個別相談で確認しておくことが重要です。
指導者・所属団体への事前相談も早めに
もう一つ、SA推薦で見落としやすいのが、指導者や所属団体との調整です。
過年度資料では、資格確認の際に指導者や指導団体からの推薦書を提出する形となっていました。
ここで注意したいのが、
「お願いすれば必ず推薦書を書いてもらえる」とは限らない
ということです。
実際には、指導者や所属団体の方針によって、
- 推薦書の作成に慎重な場合
- 推薦そのものを引き受けてもらえない場合
- 実績や活動状況を見たうえで判断される場合
もあります。
そのため、SA推薦を本格的に検討しているのであれば、出願直前になって初めてお願いするのではなく、早い段階から指導者や所属団体に進路の希望を伝えておくことが大切です。
いわば、早めの相談や意思共有が必要です。
特に、
- 立命館宇治中学校のSA推薦を考えていること
- 推薦書の提出が必要になる可能性があること
- いつ頃までにお願いすることになりそうか
については、事前に共有しておいた方がよいでしょう。
SA推薦では、学力や活動実績だけでなく、こうした周囲との調整も受験準備の一部です。
推薦書をお願いする段階になってから話を始めるのでは遅いこともあります。
学校側への確認とあわせて、指導者側にも早めに相談しておくことが重要です。
五ツ木・駸々堂模試の「偏差値48」は簡単な数字ではありません
学校が公表した過年度の入試説明資料では、SA推薦の事前資格確認において、五ツ木・駸々堂模試の「2科偏差値48以上」が一つの目安として示されていました。

五ツ木・駸々堂模試は、大手進学塾の冠模試と比べると偏差値が高めに出る傾向があります。
しかし、だからといって偏差値48が簡単に出せる数字というわけではありません。
特に、中学受験の勉強をほとんどしてこなかった生徒にとっては、かなり高い壁になります。
算数だけを見ても、次のような中学受験特有の考え方が必要になります。
- 割合・比
- 速さ
- 図形
- 数の性質
学校の算数で良い成績を取っていたとしても、中学受験算数が未修の状態では、問題の考え方そのものが分からないこともあります。
すでに中学受験対策を進めている生徒にとっては十分に現実的な数字でも、未修の生徒にとっては、まず中学受験算数の基礎から身につけていく必要があります。
過年度資料では「複数回の結果」も求められていました
過年度の学校資料では、五ツ木・駸々堂模試について、単に1回偏差値48以上を取ればよいという扱いではなく、複数回の結果が求められていました。
具体的には、小学6年生対象の模試で基準を満たす結果を複数回取得し、そのうち少なくとも1回は第4回以降の結果を含むこととされていました。
そのため、受験直前になって慌てて対策するのではなく、模試の実施時期から逆算して準備を進める必要があります。
※資格確認の具体的な基準や扱いは年度によって変更される可能性があります。受験年度の最新資料は必ず確認してください。
小学校の成績も確認されます
SA推薦では、模試の偏差値だけでなく、小学校の成績も確認されます。
過年度の入試説明資料でも、小学5・6年生の成績に関して条件が示されていました。
競技や文化活動の実績だけを見て、
「SA推薦なら大丈夫」
と判断することはできません。
模試の結果や学校の成績も含めて、事前に確認しておく必要があります。
自己推薦ICとの違い
同じ推薦入試でも、「自己推薦IC」と「SA推薦」では評価されるポイントが異なります。
| 入試方式 | 主な評価・選考ポイント |
|---|---|
| 自己推薦IC | 模試成績や英語資格など |
| SA推薦 | 一定の学力に加え、特技の実績と将来性 |
SA推薦は、単に「自己推薦より学力基準が低い入試」ではありません。
高いレベルでの活動実績と、それを支える一定の学力の双方が求められる入試です。
資格確認を通過してからが本番です
SA推薦では、出願前に「資格確認」があります。
過年度資料では、次のような書類などを提出する形となっていました。
- 資格確認申請書・志望理由書
- 小学校の成績に関する資料
- 模擬試験結果
- 指導者や指導団体からの推薦書
ここで注意したいのは、
「資格確認の通過=合格ではない」
ということです。
資格確認は、SA推薦入試を受験するためのプロセスです。
その後、実際の入試に向けた対策が必要になります。
2026年度から当日の標準テストは「国語・算数」の2科に
2026年度入試から、自己推薦IC・SA推薦の当日筆記試験は、国語・算数の2科標準テストに変更されました。
競技や文化活動と受験勉強を両立するSA受験生にとって、対策する教科を絞りやすくなった一方で、国語・算数でしっかり得点することがより重要になりました。
特に算数では、次のような力を身につけておきたいところです。
- 割合・比、速さ、図形、数の性質などの基本事項を確実に定着させる
- 基本から標準レベルの問題を確実に解けるようにする
- 問題文の条件を正しく整理する
- 少し形を変えられても対応できるようにする
難関校向けの特殊な問題ばかりに取り組む必要はありません。
基本を正確に理解し、それを使って考えられる状態にしておくことが重要です。
2026年度SA推薦合格者を指導して感じたこと
2026年度入試では、SA推薦を受験した生徒を実際に指導しました。
その生徒は全国大会レベルの競技実績を持っていましたが、それでも学力対策が不要だったわけではありません。
その指導を通して改めて感じたのは、
「限られた時間のなかで、何を優先して勉強するかが非常に重要」
ということです。
SA推薦を目指す生徒は、スポーツや文化活動にも多くの時間を使っています。
一般的な中学受験生のように、受験勉強だけに多くの時間を使えるとは限りません。
だからこそ、
- 今どこまでできているのか
- 何が足りないのか
- どこから優先して取り組むのか
を早い段階で明確にする必要があります。
すべての単元を同じように勉強するのではなく、現在の学力と残された時間を見ながら、優先順位をつけて取り組むことが重要です。
中学受験未修の生徒は早めの準備が必要です
SA推薦を検討されるご家庭のなかには、これまでスポーツや習い事を中心に生活してきたため、中学受験専門塾に通っていないというケースもあります。
この場合は、特に注意が必要です。
学校の算数が得意であっても、そのまま中学受験算数に対応できるとは限りません。
中学受験では、学校で習った内容を使いながらも、複数の条件を整理したり、いくつかの考え方を組み合わせたりする問題が出題されます。
そのため、中学受験未修の状態からスタートする場合、
「五ツ木・駸々堂模試で偏差値48を取ること」自体が、最初の大きな壁
になります。
算数の素養があり、短期間で理解を進められる生徒もいます。
しかし、割合や比、速さなどの基本的な内容から理解が不十分な場合には、相応の学習時間が必要になります。
SA推薦を考えているのであれば、できるだけ早い段階で現在の学力を確認しておきたいところです。
まず確認したいのは「現在地」です
SA推薦を目指す場合、
「特技の実績があるから受験できるか」
だけでなく、
「現在の学力から、入試までに必要な水準へ到達できるか」
を確認することが大切です。
そのためには、次のような項目を確認します。
- 五ツ木・駸々堂模試の結果
- 学校の成績
- 現在使用している教材
- これまでの中学受験学習の有無
- 算数の基本事項の理解度
- 学校に確認したSA推薦の対象分野・資格条件
- 指導者や所属団体から推薦を受けられる見込み
SA推薦の場合は、学力だけを見ればよいわけではありません。
「学校側の資格条件」「指導者側の推薦」「本人の学力」の3つを早めに確認しておく必要があります。
早い段階で現在地が分かれば、受験までに何をするべきかも見えやすくなります。
立命館宇治中学校SA推薦をご検討中の方へ
立命館宇治中学校のSA推薦は、スポーツや文化・芸術活動に本気で取り組んできたお子さんにとって魅力的な制度です。
一方で、
「特技があれば、勉強はそれほど必要ない入試」
ではありません。
活動実績だけでなく、模試の成績や学校成績も確認されます。
さらに、
- その競技・活動がSA推薦の対象になるのか
- どの程度の活動実績が必要なのか
- 指導者や所属団体から推薦を受けられるのか
- 現在の学力から必要な水準まで到達できるのか
といった点も、早い段階で確認しておく必要があります。
私が2026年度入試で指導した合格者は全国大会レベルの実績を持っていましたが、全国大会出場が一律の必須条件として公表されているわけではありません。
活動分野によって評価の仕方は異なるため、実績面については学校へ直接確認することをおすすめします。
資格確認を通過した後には、実際の入試に向けた国語・算数の対策も必要です。
私は2026年度入試で、立命館宇治中学校SA推薦の合格者を指導しています。
- 中学受験塾に通っておらず、何から始めればよいか分からない
- 自分の競技・活動実績がSA推薦の対象になるのか分からない
- 五ツ木・駸々堂模試で思うように偏差値が取れない
- 中学受験算数をほとんど勉強していない
- 競技や習い事と勉強を両立したい
- 今からの対策で間に合うのか確認したい
といったご相談がありましたら、現在の学習状況を確認したうえで、受験までに必要な学習や進め方をご提案します。
※SA推薦の資格基準、対象となる活動、事前資格確認の方法、入試内容などは年度によって変更される可能性があります。受験の際には、必ず立命館宇治中学校が公表する最新の入試要項・資格確認資料をご確認ください。

