オンライン指導と聞くと、
「画面越しでは生徒の様子が分かりにくいのではないか」
「対面指導に比べて、細かなコミュニケーションが取りにくいのではないか」
と不安に思われるご家庭も少なくありません。
確かに、オンライン指導には対面指導とは異なる難しさがあります。
ただ、長く対面指導を続けてきたからこそ、オンラインという環境で何を意識し、どこを補う必要があるのかが見えてくる部分もあります。
その中で、私が特に大切にしているのが**「双方向性」**です。
オンラインだから一方通行になるのではなく、オンラインだからこそ意識して一方通行にしない。
私は、そのことを常に意識して指導しています。
対面指導では、言葉以外の情報が自然と入ってくる
対面で生徒の隣に座って指導していると、言葉以外からも実に多くの情報が入ってきます。
- 問題を見た瞬間のわずかな表情の変化
- 鉛筆が止まるタイミング
- 途中式を書きながら迷っている手元
- 「分かった」と答えながらも、どこか自信がなさそうな反応
こうした細かなサインは、対面であれば自然と目に入ります。
長く指導を続けていると、生徒が言葉にしなくても、
「ここでつまずいているな」
「今の説明だけでは、まだ十分に理解できていないかもしれない」
「別の角度から問いかけた方がよさそうだ」
と感じる場面が少なくありません。
こうした感覚は、多くの生徒を対面で見てきた経験の中で身についてきたものだと思います。
オンラインでは、意識しないと「説明するだけ」になりやすい
一方、オンライン指導では画面に映る範囲が限られます。
生徒の手元や細かな仕草も、対面ほど自然には確認できません。
そのため、指導する側が意識しなければ、
先生が説明する
↓
生徒が聞く
↓
「分かった?」と確認する
↓
生徒が「分かった」と答える
という形になりやすくなります。
しかし、「分かった」と返事ができることと、一人で問題を解けることは別です。
だからこそ私は、オンラインではより意識して、双方向のやり取りを作る必要があると考えています。
「考える」「答える」「説明する」時間を作る
私のオンライン指導では、こちらから一方的に解説を続けることはできるだけ避けています。
例えば、授業中には次のような問いかけをこまめに行います。
- 「次はどうしたらいいと思う?」
- 「なぜここでこの式になる?」
- 「今の考え方を、自分の言葉で説明してみて」
- 「この途中式は何を表している?」
答えが合っているかどうかだけではなく、途中式や考え方まで確認します。
生徒自身に考えてもらい、それを言葉にしてもらうことで、初めて本当に理解できているのかが見えてきます。
間違えたときも、すぐに答えを教えるとは限りません。
「どこまでは合っていると思う?」
「この条件をもう一度見てみようか」
「ここから何が変わった?」
とやり取りを重ねながら、どこでつまずいたのかを一緒に探していきます。
オンラインであっても、授業は先生が話し続ける時間ではありません。
生徒自身が考え、答え、説明する時間を作ることが大切です。
対面の経験があるからこそ分かる「沈黙の意味」
オンライン指導で生徒の手が止まり、数秒間の沈黙が生まれることがあります。
オンラインでは、沈黙が続くと先生側がつい説明を足したくなることもあります。
しかし、その数秒の中で、生徒が一生懸命考えていることもあります。
一方で、考えているように見えて、何をすればよいか分からず完全に止まっている場合もあります。
そのときに、
「今はもう少し待った方がいいのか」
「少し問いかけて助け舟を出した方がいいのか」
「別の説明に切り替えた方がいいのか」
を判断します。
対面指導では、生徒の表情や視線、鉛筆の動きなどを見ながら、この違いを日常的に判断してきました。
そうした経験があるからこそ、オンラインでも単なる「沈黙」として処理するのではなく、その時間に生徒が何をしているのかを考えながら声をかけるようにしています。
ツールを活用し、オンラインでも密度の高い指導を
実際のオンライン指導では、Zoomで対話をしながら、iPadやGoodnotesを使って教材や問題を共有しています。
画面上で私が解説を書くだけではありません。
生徒にも途中式や考え方を書いてもらい、その過程を確認しながら進めます。
理解が不十分だと感じれば、その場で別の問題に変えることもあります。
必要に応じて、その生徒の理解度に合わせた問題やプリントを作り、次回以降にもう一度取り組んでもらうこともあります。
その場では理解できていても、数日後には忘れてしまうことも珍しくありません。
そのため、
弱点を見つける
→ その子に合った問題を解く
→ 考え方を確認する
→ 必要に応じて繰り返す
という流れを大切にしています。
この考え方は、対面でもオンラインでも変わりません。
「対面かオンラインか」だけで指導の質は決まらない
ご家庭から、
「やはりオンラインより対面の方がいいのでしょうか」
と聞かれることがあります。
もちろん、生徒によって向き不向きはあります。
ただ、私は指導の質を決めるのは、単純に「対面かオンラインか」という形式だけではないと考えています。
大切なのは、
- 生徒の反応をどこまで見ようとしているか
- 生徒が考える時間を十分に作れているか
- 「分かったつもり」のまま先に進んでいないか
- 途中式や考え方まで確認しているか
- 反応に応じて、その場で指導を変えられているか
ということです。
対面指導を長く経験してきたからこそ、オンラインではどのような情報が抜け落ちやすいのかが分かります。
そして、その部分を意識して補うことで、画面越しであっても、対面指導で大切にしてきたことを失わず、密度の高い指導につなげることができます。
指導の本質は、対面でもオンラインでも同じです
私自身は、対面かオンラインかによって、指導の本質が変わるとは考えていません。
方法や使う道具には違いがあります。
しかし、
- 生徒の理解を確認すること
- 自分で考えてもらうこと
- つまずいている部分を見つけること
- できるようになるまで繰り返すこと
これは、対面でもオンラインでも同じです。
画面越しであっても、生徒を置き去りにしない。
説明を聞くだけの授業ではなく、
考える。答える。説明する。そして、また一緒に考える。
対面指導で培ってきた経験をオンラインにも生かしながら、一人ひとりの理解に合わせた双方向の指導を行っています。
オンライン指導をご検討中の方へ
「うちの子でも集中できるだろうか」
「画面越しできちんと理解を見てもらえるだろうか」
オンライン指導を検討される際に、こうした不安を持たれるのは自然なことだと思います。
オンライン指導が合うかどうかも含めて、お子さまの現在の学習状況や性格を伺いながらご相談できます。
オンラインだから難しいと最初から決めつけるのではなく、その子にとってどのような形の指導が合うのかを一緒に考えていきます。
気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

