関関同立の付属中は大学まで確実に行ける?|内部進学できない子の特徴も紹介

関関同立の附属中に入れば、大学まで行けるのか?

「関西の難関私大」といわれる関関同立。
その附属中学校に入れれば、大学までエスカレーターで進学できるのか?

結論から言うと――

目次

関関同立の付属中では、基本的には大学まで行けます

過酷な受験競争を勝ち抜いて入学した中学受験生にとって、関関同立の附属校から大学までの内部進学は、決して高いハードルではありません。

実際、各校の内部進学率はおおむね70~90%台と高く、「そのまま進学するのが当たり前」という雰囲気の中で、多くの生徒が6年間を過ごしていきます。

でも、全員が“無事に”進学するわけではありません

「基本的に進学できる」とはいえ、全員がストレートに大学まで進めるかというと、現実はそうでもありません。

内部進学ができない、あるいはしなかった理由はさまざまです。

  • 校則違反や生活態度の問題で、推薦が得られなかった
  • 他の進路(国公立・医療系・海外大学など)に興味が出てきた
  • 中学・高校生活が合わず、外部への転校を選んだ

こういった事情もありますが、もっとも多いのは「成績不振」です。

成績不振は、内部進学に大きく影響します

内部進学といっても、「誰でも自動的に行ける」わけではありません。
学年ごとの成績や、学内での評定平均によって、進学できる学部が決まるのが一般的です。

特に人気のある学部は倍率も高く、希望通りに進めるのは、日々の学習を積み重ねてきた生徒に限られます。

「とりあえず附属校に入れたから、もう大丈夫」ではなく、入学後もコツコツと学ぶ習慣を身につけていくことが大切です。

成績不振になるかどうかは、入ってみないとわからない?

たしかに、「実際に入ってみないとわからない部分」も多くあります。
しかし、わたしがこれまで多くの附属校の生徒を見てきた中で、成績不振になりやすい子には、ある程度“共通する特徴”があることも事実です。

つまり、入学前の段階で、“成績不振予備軍”かどうかが見えてくるのです。

成績不振予備軍の子に見られる4つの特徴

➀ 英語が苦手だと、つまずく可能性大

わたしが見てきた限り、関関同立の附属校で成績不振に陥る最大の原因は「英語」です。
中学受験で合格したあと、英語がネックになって学校生活が苦しくなるケースは本当に多いんです。

特に私立中では、英語の授業にかなり力を入れており、

  • 英検2級レベルが大学進学の条件
  • 高校内容に早くから取りかかる

といった学校もあります

英語に対する基礎体力がないまま入学すると、最初の定期テストから「もう無理…」と感じる子もいます

英語の授業についていけない…これが中学入学後に成績不振に陥るいちばんの理由です。そこで、入学前(というか、受験校決定前に)に、試してもらいたいことがあります。

  • アルファベット
  • ローマ字
  • 無意味な文字列の暗記

これらのチェックをぜひ試してみてください。これらが苦手だと…かなりの確率で英語でつまずきます。

アルファベット

A~Zまでの大文字・小文字を順番にスラスラ言えるか、正しく書けるか、書き間違いがないか

「え、そんな子いてる?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが――
います。しかも、けっこうな割合で。

実際、アルファベットがまだ不安定なまま入学してしまい、最初の英語でつまずいたケースも少なくありません。

ローマ字

特に注意して見てほしいのは、ローマ字の例外パターンです。

  • 「し」→ shi? si?
  • 「ち」→ chi? ti?
  • 「大阪」→ Oosaka? Osaka?
  • 「ちっちゃい“っ”」はどう書く?

こうしたちょっとしたつまずきポイントが理解できていないと、
ローマ字と英語の区別がつかず、混乱しやすくなります。

「北海道」「札幌」を正しくローマ字で書けるか、試してみてください。

無意味な文字列の暗記

英語のスペルは、日本人にとっては意味のない文字列の羅列です。

  • apple
  • station
  • elephant

こうした単語を「音とつづりセットで覚えられるかどうか」を見るだけでも、今後の英単語習得に対する適応力がわかります。

試しに、5~6単語ほど出して「5分以内で覚えてもらう」テストをしてみてください。
思った以上に覚えられない場合、要注意です。

② 中学受験時に、算数で苦労していた子は要注意

そもそも、中学受験時に算数で苦労していた子は、関関同立付属校に合格する可能性は高くありません。

しかし、試験当日、国語がたまたまハマったとか、理科や社会で「爆発」したとかで、ラッキーパンチが当たってしまう子が、極たまにいます。

一方で、合格者の多くは、算数を得意にしていた生徒たちです。

つまり、入学時点ですでに“数学に対する基礎体力”に差があるわけで、
その差は、授業が始まってからどんどん広がっていきます。

関関同立中高の中には、数学の進度が早く、内容も高度な学校があります。
そのような学校に入ったなら、中学受験のときから算数が足を引っ張っていた子は、入学後の数学の授業で苦戦することは目に見えています。

しかも、数学対策に時間がとられるということは、他の教科の勉強時間が減るということ。
結果、成績不振へとまっしぐらです。

「入ってから何とかなるだろう」は、あまり通用しません。

③ 全体的に学力の土台が弱い

算数が苦手な子と同じく、中学受験の本番で“奇跡”を起こして合格してしまう子がいます。
言い換えれば、「本番に強いタイプ」とも言えるかもしれませんが。

たまたま得意な単元が出題されたり、直前の追い込みがうまくいったり――
そういう“勢い”で合格する子も、実際にいます。

ただし、入学後は別物です。

他の合格者との学力の差は確実に存在しており、入ってからはその差がどんどん広がっていきます。

  • 授業のスピードについていけない
  • 課題に時間がかかる
  • 小テストの点が取れない
  • 勉強に時間がかかるわりに、成果が出ない

こうした状態が続くと、モチベーションも落ちていき、
どの教科も中途半端になって、結果的に成績不振に陥ることになります。

④ 学習習慣がない

関関同立の附属中学は、地頭のいい子にとっては、合格自体はそれほど難しくありません。

そのため、そこそこの勉強で合格してしまう子も少なくありません。

ところが――入学後の勉強は、「そこそこの努力」ではまったく通用しません。

男の子に多いのですが、中学受験のときには、「算数が得意」「考えるのが楽しい」と感じていた子でも、中学に入るとその感覚は大きく変わってきます。

  • 中学の数学では“途中式”を要求されることがある
  • 解法も“自分流”ではなく、授業通りにやらなければならない

また、数学以外の教科の理科・社会・英語の暗記量も一気に増えます

つまり、「好きな教科だけをそこそこ勉強する」では通用しなくなっていきます。

そして、このようなタイプの子は、「自分はできる」という意識が強いです。

だから、宿題を後回しにしたり、小テストの準備をせずに臨んだり――そんなことを繰り返すうちに、気づけば定期テストの順位が下の方になっていた…ということも珍しくありません。

好成績をキープするには、それなりの“地味な努力”が必要です。

入学後にそのギャップに苦しむ前に、「今のうちに学習習慣がついているかどうか」をチェックしておくことがとても大事です。

対策|つまずきを防ぐために、今できること

ここまで紹介してきた「つまずきやすい子の特徴」は、入学してから判明するものではありません。
実はほとんどが、入学前から見えているものばかりです。

だからこそ、“その子に合った学校選び”と“事前の準備”がとても大切です。

■ その1:志望校の見直し

関関同立に行くルートは、付属校だけではありません。
たとえば、

  • 立命館大学 → 大阪立命館中学、平安女学院中学など、
  • 関西学院大学 → 帝塚山学院中学、啓明学院中学校など

以上の中学校以外にもたくさんの選択肢があります。
そのような“提携校”や“推薦枠のある中学”も受験候補に入れてみてください。

附属校に比べて入試難易度が下がり、周囲の学力レベルも落ち着いているため、入学後にムリなくついていける可能性が高くなります。

ただし、学校によっては大学進学条件が厳しかったり、附属出身ではないことのデメリットもあります。
メリット・デメリットを整理したうえで、「わが子にとって最善の環境はどこか」を考えてみてください。

■ その2:入学前の学習フォロー

  • 英語:アルファベット・ローマ字・基本単語の暗記がスムーズか
  • 算数:中学数学の基礎(正負の数・文字式など)に触れておく
  • 習慣:宿題や小テストへの取り組みを“自分で管理”できるか

入学前にこれらの力があるかどうかを見極め、必要であれば早めにフォローすることが、6年間の安定に直結します。


まとめ|“楽しい6年間”にするために、準備は欠かせません

わたしはこれまで、関関同立の附属校に通う多くの生徒を指導してきました。
その中で、大学まで進学できなかったのはたったの1人だけ。
しかもその理由は、成績不振ではなく、本人の希望やご家庭の方針によるものでした。

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つまり、正しい準備と適切なサポートがあれば、内部進学でつまずくことは防げるということです。


実際、附属校の生徒たちからは、

「学校生活がすごく楽しい」
「行事も多くて充実している」
「友達と6年間一緒に過ごせるのがうれしい」

といった声をよく聞きます。

その“楽しくて充実した6年間”を、途中でつまずくことなく走り切るためには、
入学前の段階で、できる準備をしっかりしておくことが大切なのです。


「今のままで本当に大丈夫かな?」
「ちょっと気になる点があるけど、誰に相談したらいいか分からない…」

そんな不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
入学前の準備から、入学後の立て直しまで、しっかりサポートいたします。

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