【2025年度 関西私立中学受験】受験者数・受験率ともに過去最高!その背景とは?

【2025年度 関西私立中学受験】受験者数・受験率ともに過去最高!その背景とは?
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中学受験、関西で再び拡大傾向に

2025年度の近畿2府4県における私立中学受験(統一入試初日の午前実施分)では、受験者数が17,655人となり、前年より306人の増加を記録しました。これは実質的に「新たに生徒100人規模の学校が3校誕生した」のと同じインパクトがある数字です。

実は2023年度にも前年比で300人を超える増加が見られましたが、このときはコロナ禍からの反動という見方もありました。しかし、その後の2024年度には小幅ながらも受験者が増加し、さらに2025年度には一気に300人超の増加。こうした流れを見る限り、中学受験市場は完全に息を吹き返し、成長フェーズに入ったといえるでしょう。

受験率は過去最高の10.6%に

受験者数の増加は、少子化が進むなかでも中学受験がより一般化してきたことを示しています。2025年度の小6児童における受験率は10.6%。これは前年度から0.4ポイントの上昇であり、過去最高だった2007年度(10.4%)を上回る結果です。

2014年度の8.7%を起点に、コロナによる一時的な落ち込み(2021年度の9.7%)を経て、ほぼ一貫して上昇傾向にありました。とくにここにきての0.4ポイント上昇は、確かな流れを裏付ける数字だといえます。

高校授業料無償化が追い風に

関西圏での中学受験熱が高まる背景として、大きな影響を与えていると考えられるのが、大阪府における高校授業料の実質無償化です。

これにより、「中高一貫校に6年間通わせる」というプランが、経済的にも現実味を帯びてきました。中学の3年間だけ学費の見通しが立てばよくなり、高校進学後の授業料負担がなくなることで、私立を選びやすくなった家庭も多いはずです。

また、公立中学+塾通いにかかるコストを考えれば、高校受験を回避できる私立一貫校に魅力を感じるのは自然な流れともいえるでしょう。

中堅・独自校への注目も拡大

これまでは難関校や有名私立校が中学受験の中心でしたが、現在では中堅校や、大学実績よりも教育内容に特色がある学校への関心も高まりつつあります。

つまり、「とにかく偏差値が高い学校を目指す」という姿勢から、「子どもに合った教育環境を選ぶ」という意識へのシフトが起こっているということです。

大阪府は顕著な伸び、今後も上昇か

実際に、2025年度の入試データを見てみると、大阪府の受験者数・受験率ともに際立った伸びを見せています。高校無償化の制度がスタートしたのは2024年度。このタイミングから逆算すると、さらに2~3年後にはより大きな影響が出てくることも予測されます。

すでに東京都でも同様の制度が導入されており、今後は全国に広がっていく可能性も高いでしょう。そうなれば、中学受験は今以上に「特別な選択肢」ではなく「一般的な進路の一つ」として浸透していくと考えられます。

午後入試の定着と受験スタイルの変化

近年の中学入試では、午後入試の実施が定着し、初日・2日目のダブルヘッダー(午前+午後受験)が主流となりました。

2025年度の午後入試受験者数は、初日が10,965人(前年比508人増)、2日目が7,862人(前年比364人増)となり、いずれも大きく増加。初日の午後受験率は平均62.1%と高い数字を記録しています。

これは「できるだけ早く合格を決めたい受験生」と「早期に入学者を確保したい学校側」の思惑が一致した結果でもあります。中学受験は“短期決戦”型へとシフトしており、初日・2日目で大勢が決まる時代に突入しているといえるでしょう。

おわりに:中学受験の「今」を正しく知ることの大切さ

中学受験を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化しています。受験率は過去最高、受験スタイルは短期集中、教育観も多様化。こうした状況のなかで、家庭にできることは「早めに情報を集め、わが子に合った道を選ぶこと」です。

中学受験はもはや“特別な家庭だけのもの”ではありません。正しい情報と判断基準をもとに、適切な準備を進めていくことが、子どもにとって最善の未来を切り拓く第一歩になるはずです。

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